令和8年2月25日に選考委員会を開催し「第59回やってみなはれ佐治敬三賞」を選出いたしました。今年もたくさんのチャレンジ精神あふれる「やってみなはれ」な作品の応募がありました。個性あふれるチャレンジ、しっかりと成果を残した作品、安定感のある王道のCM。様々なジャンルからの応募があり、選考委員の皆さんの熱い議論もありましたが、最後は満場一致で選出となりました。
第59回やってみなはれ佐治敬三賞 受賞者

金瀬 侑也 氏(かなせ ゆうや)氏
株式会社ADKクリエイティブ・ワン
エリアソリューション局
コミュニケーションディレクター
- プロフィール
- 大阪のWEB制作会社で2年間WEBデザイナー経験後、1年の海外留学を経て東京のプロモーション制作会社で5年間プロデューサーを経験。
その後、2019年ADK入社。企画から制作までワンストップでデジタル、リアル、映像、PRまで幅広く対応してます。
受賞対象作品
- 佐賀県 ゴジラ対(つい)サガ-ほぼ同じかたちということで、かたち観光大使爆誕-(WEBムービー等)
- 関西電力送配電 ウルトラ怪獣鉄塔へ行く(WEBムービー等)
- Vocalbeats クロちゃんフィルター(アプリ開発/SNSキャンペーン)
- 関西電力 ファンでんギネス世界記録™に挑戦(コミュニティ活性化/会員獲得企画)
- 創味食品 ハコネーゼで箱根いこーぜキャンペーン(アイコン制作/キャンペーン)

佐賀県 ゴジラ対(つい)サガ
-ほぼ同じかたちということで、かたち観光大使爆誕-(WEBムービー等)
関西電力送配電
ウルトラ怪獣鉄塔へ行く(WEBムービー等)
受賞理由
貴殿は広告コミュニケーション領域において、多くのオリジナル視点に基づき、卓越したディレクション能力を発揮し、数々の新たな広告手法を切り拓いてこられました。
佐賀県の地形とゴジラのシルエットの相似性に着目し、「異質なもの同士の共通項」を見出す独自の公式を導き出し、自治体プロモーションに新たな息吹を吹き込まれました。関西電力送配電では普段目にしない鉄塔・インフラ整備の枢要(すうよう)性を1通の手紙を起点に、「人と怪獣の相互理解」という主題へと転換。広告主の矜持(きょうじ)と切実なる想いを、温かな世界観をもって見事に表現されました。広告の立ち位置をしっかり堅持しつつ、安定感とユニークな独創性を兼ね備えたその企画の数々は、選考委員の高い評価を受け、未知の領域へ果敢に挑むその姿勢は正に「やってみなはれ」の精神を体現しており、ここにその栄誉を称え、本賞を授与いたします。
主な受賞歴
ADFEST/広告電通賞/鈴木三郎助全広連地域広告大賞/
JACEイベントアワード/新聞広告賞/FCC賞/AAA賞
福岡広告協会賞金賞/京都アニものづくりAWARD
第59回やってみなはれ佐治敬三賞 ファイナリスト(所属会社名は応募時)
- 堀 靖幸(電通)
- 廣瀬 泰三(電通)
- 高木 俊貴(博報堂)
第59回やってみなはれ佐治敬三賞 審査講評(役職は選考委員会時)
- 選考委員長
世耕 石弘(学校法人 近畿大学 常任理事 経営戦略本部長) - 広告や広報の仕事に携わるようになって四半世紀近くが経つ。しかし、選考委員長という役職は、クリエイティブの最前線で「作る」立場ではない私にとって、回を重ねるごとにその責任の重さを増している。副委員長の児島令子さんをはじめ、広告界を牽引するトップクリエイターである選考委員の皆様の鋭い意見を、公平かつ公正に、そして一つの「意志」として取りまとめることは、並大抵の務めではない。冷や汗をかきながら議論の荒波を乗り越えてきたこの役目も、今回で6回目を迎えた。
本賞の選考は、事前に集計された投票結果を単に確認する場ではない。そこから始まる徹底的な議論によって、毎回のように鮮やかな「どんでん返し」が起こる。それこそが、この選考委員会の真骨頂である。今回も例外ではなく、予定調和を良しとしない委員たちが、それぞれの推す作品やクリエイターの背後にある「魂」について、時間を忘れて熱く語り合った。
私自身は、自らの立ち位置を改めて自覚し、表現のテクニック論に踏み込むことはしなかった。あくまで「広告を社会に送り出す側の視点」を貫き、その表現がどれほど人々の心を動かし、世の中を1ミリでも動かす力を持っているかを問い続けさせていただいた。デジタルの進化や手法の多様化が進む今だからこそ、委員たちの言葉に込められた広告への深い愛情、そして人間臭い熱量が、選考結果に劇的な変化をもたらす光景は、何度立ち会っても胸を打つものがある。
個別の作品講評については各委員の皆様に委ねるが、応募されたすべてのクリエイターの皆様の情熱を、選考委員が真正面から受け止め、真剣勝負で議論を尽くした末に今回の結果に至ったことを、選考委員長としてここに報告させていただく。
- 副委員長
児島令子(児島令子事務所 コピーライター) - 昨年、金龍しっぽ宮原さんに惜しくも負けた佐賀県ゴジラ金瀬さんが、新作追加で再参戦して見事にリベンジした。随所に金瀬さんらしい発想と定着があって、やってみなはれを感じたのだった。
新作の「ウルトラ怪獣鉄塔へ行く」は、関西電力の鉄塔への理解促進ムービー。お堅い話を柔らかくするための怪獣投入という映像表現だけのアイデア?いや違う。その手前があった。まず、鉄塔壊すの大好きな怪獣たちに鉄塔見学者募集の手紙を書く。それをSNSで投稿、みんなでシェア。怪獣好きな人たちが、さてどの怪獣が来るかと注視してたら、まさかのカネゴン登場!この下ごしらえがあってムービーを発信することで、作り事の広告が現実世界とちょっと接点を持ち、より魅力的な作り事になった。
他にも「ハコネーゼで箱根行こうぜキャンペーン」もよかった。ハコネーゼと箱根町をダジャレ以外の何者でもないアイデアでくっつけて、商品アピールと観光支援を、わかりやすく楽しく超低予算でやってのけた。温泉マークをパスタに見立てたアイコンが、すべてを一瞬で説明しリアルに機能した。昨今複雑化するキャンペーンへのアンチテーゼにも感じた。
おそらく金瀬さんはどんな仕事が来ても、他とはひと味違う金瀬スパイスをまぶして料理しそう。そのスパイスは、特殊な山奥から見つけ出した特殊な葉っぱとかじゃなく、じつは広告的、コピーライティング的発想のもの。昨年の宮原さんもそうだった。ジャーナリスティックでありながら広告的。
いまこのあたりが、やってみなはれ佐治敬三賞の現在地かもしれない。でも来年は全くわからない。
今年の募集ポスターで、「これは広告なのか?審査中にそう思わせたら、たぶん脈ありでしょう。」というコピーを書いた。いかにもな広告を作ろうとせず、過去の再生産をせず、広告が自ら広告の枠を広げるような仕事を見せてほしいというメッセージだ。私自身も、広告には自ら広告の枠を広げる力がまだまだあると信じてるから。
来年は記念すべき第60回。賞金も増えるかも?記念すべきすごい人が現れるか!?
- 菅野 薫((つづく) クリエーティブ・ディレクター,クリエーティブ テクノロジスト)
- ぼくが、「やってみなはれ佐治敬三賞」の審査に参加させていただいている理由は、僕が広告制作と向き合うときの専門性が他の審査員の方々と違うという点と、僕自身が近畿圏出身/在住/勤務ではないので、応募者で面識ある方が少ないので先入観なく制作物から評価出来るという点だと思っています。
そんな僕も審査に参加させていただいて4年目になって、だんだん応募者の入れ替わっていく様子や、応募しつづけてくださっている方の成長が感じられるようになって様々な感情が錯綜するようになってきました。審査は冷静にやっていますが、いろんな人の頑張りを応援したい気持ちがどんどん高まっています。
昨年の受賞者だった宮原さんの金龍の仕事はその後にACCのグランプリを受賞し、全国区で昨年を代表する仕事になりました。
僕が言い出しっぺで昨年始めた「虎ノ門広告祭」でも、近年の「やってみなはれ佐治敬三賞」受賞者の方のセッションをつくったりで、ここで発見された才能が業界で注目されていく様子のそばにいることが出来て非常に意義を感じれています。
そして、今年の受賞者の金瀬さんは昨年からかなり注目されていたので、おそらくみんな納得の受賞だったと思います。「やってみなはれ佐治敬三賞」特有の前年までで惜しかったところからの遂に受賞という物語もぐっとさせられます。
金瀬さんが評価されているポイントは、企画の種をみつける視点/切り口の面白さに尽きると思います。佐賀県とゴジラの相似性という強引な発見で突っ走るところ。エグゼキューションやクラフトではなく、真ん中に半ば強引で笑える視点が置かれているところ。今年の審査対象ではないのですが昨年応募時にあった「米離れ」という社会課題に、その原因のひとつがアニメカルチャーからの影響と強引に定義して、「アニメの定番の遅刻しそうでパンを齧りながら走る少女シーン」のパンを米に置き換えるというアイデアなどはまさにその真骨頂だったと記憶しています。ここにもっと表現の着地に技があるともっと強力になる予感を感じさせます。
一点、寂しいなと思うのは、例年と比較して応募者数が減ったこと。逆に言うと、若い才能や新しい領域で野心的な挑戦をしている方にとってチャンスが増えているとも言えます。積極的に応募してください!
- 中島 信也(株式会社東北新社 顧問 エグゼクティブクリエイティブディレクター)
- 今年も言います。応募者のみなさま、佐治敬三賞への熱きエントリーありがとうございました。
僕は「やってみなはれ佐治敬三賞」の特徴として①作品単品の良し悪しを問うのではなく、その人がどんな取り組みをしたのか、が問われるのでは?(もちろん作品単品があかんかったらあかんのですけど)、②大阪ならではの「どや」があると強い、と考えています。そして、エントリーの裏に「やってみなはれ言うからやってみたで。どや!」と言う気合が受賞にかなり影響しているのでは、と感じてるんです。
今年佐治敬三賞を受賞された金瀬さん。まずはおめでとうございます!「ゴジラ対サガ」はこれまでも高い評価を得ていたおもろい取り組み。今年はこれに加えて同じ怪獣モノに見えますが「ウルトラ怪獣鉄塔へ行く」。関西電力送配電という会社の鉄塔建替工事という一見関心を持つ人は少ないんちゃうか?というプロジェクトですが、これを怪獣の力を借りてみんなの興味を集めました。「クロちゃんフィルター」。声変換アプリのプロモーションでなんとあの甲高い声のクロちゃんを提案。アドトラック作戦やSNS作戦と多面的に展開して結果を出されました。「クロちゃん」いうのがええやん。そのほか関西電力のコミュニティサイトの活性化プロジェクト「ファンでんギネス世界記録に挑戦」では二つのギネス挑戦企画で二つのギネス認定を獲得。ほんまにやってしまうんです。「ハコネーゼで箱根いこーぜ」箱根町長からクライアントに入った提案に食らいつき、自分で立ち上げた会社公認の正式な部活「関西風呂部」を基盤にして箱根活性化とハコネーゼ販促をダブルで、ほんまにやってしまうんです。
一発勝負のパンチものとは違いますが、根底に渦巻く「普通では終わらせない」というメラメラした野心、それと独特なユーモアのセンスが窺えます。ほんでなによりも「ほんまにやってしまう」という実行力。これはまさしく「どや」本年度の佐治敬三賞獲得に相応しい存在やと思います。
そしてファイナリストの堀さん。めっちゃ惜しかった!万博キャラも郵便局もおもろいけど、ロート製薬の「ロートハート夜景列車・バス」はなんともファンタジックな企画。なんやめっちゃ素敵でした。同じく高木さん。どれもこれもなかなかおもろいアイデアでとにかく新しいことに挑戦してはります。「ヒガシマルは東にハマりたい」すごい好きです。めっちゃ惜しかった!ほんで廣瀬泰三さん!今年もめっちゃ惜しかったです。
昨年は今年の佐治敬三賞の金瀬さんがめっちゃ惜しかったんです。ということはめっちゃ惜しい人にはめっちゃチャンスがある、ということ。今後の活躍にほんまに期待しています。ファイナリストにもれた方々にも大きなポテンシャルを感じました!チャンスありまっせ!引き続き頑張ってください!
大きなメディアへの派手な出稿じゃなくても、おもろい取り組みにチャレンジしているクリエイターが続々登場している大阪。そんな大阪魂にじかに触れられる審査をさせていただいたことに心より感謝しています。ありがとうございました!
- 古川 雅之(電通Creative KANSAI / クリエーティブディレクター)
- 最終審査会では、早々に堀さんと金瀬さんの一騎打ちとなりました。しかし、ここからが長かった!
金瀬さんについては昨年の審査講評で【いいのが2本あった。「佐賀県」はゴジラとほぼ同じ県のカタチ、というアホらしい発見。「遅刻するおむすび少女」は、アニメで描かれる「遅刻するパン少女」が実は朝の米離れの原因ではないか、という仮説がもうギャグアイデア。すごい。あと1本あれば!! ・・・惜しい(要約)】と書きました。今年の出品作から「遅刻するおむすび少女」が消えていました。では、ゴジラに追加されたラインナップは?……それらがおむすび少女ロスをカバーできるのか、もしくは上回っているのかどうなのかという観点で……逡巡してしまいました。堀さんは、大阪万博・みゃくみゃくの「グッズ買っての舞」サイネージ、ロートの「ハート夜景列車」で対抗。大阪商魂たくましい直裁的コピーの、みゃくみゃくサイネージのクリエイティブは高評価。が、みゃくみゃくのブランディング—-(デビュー前まで)逆風だったみゃくみゃくを人気者にした—-という点では、その成功要因に様々あるだろうということで、評価は伸び悩みました。大阪万博の大成功が強すぎて、その一部と感じられたかと推察します。ロートについても一定の評価がありながら、歴代のキャンペーンと比べてられてしまう点は、酷ではあるが仕方がないでしょう。ゴジラVSみゃくみゃく。議論と何度もの投票の末、最後はゴジラにウルトラ怪獣の応援も届き、アウトプットのクリエイティブで金瀬さんに軍配。金瀬さん、おめでとうございます。
ファイナリストの廣瀬さん。怒涛の全8本のラインナップ。どれもおもしろ系のアウトプットでしたが、そのおもしろさの「表現」がやや届き切らなかった印象でした。もしこの路線でさらに磨いて行くのであれば、これまでの延長線上にない「新しさ」や「突き抜けた視点」を加えた作品に挑戦してみる。あるいは、「表現」ではないところで(たとえば表現以前の部分で)おもしろさの首根っこを捕まえる、つまり表現の手前にある発想や構造の部分から「おもしろさ」を捉え直す。もしくは思い切って全く異なるアプローチに踏み出してみるか。など、方向性は一つではなく、まだまだ道はあると感じています。
もう一人のファイナリストは高木さん。あの手この手のクリエイティブはどれもアイデアに溢れていました。目線が優しいのに突破力のあるアウトプット。どんどんいい仕事をされるでしょう。
あと心に残ったもの。原田さんのVC投資。飴をなめることを「ビタミンCを未来の自分への投資している」と拡大解釈し、怪しげなクリエイティブで目を引きました。西原さんの底知れぬ競馬愛、肥後さん中川さん戸川さんの「焼肉部位ジャック」もチカラがあるクリエイティブで目立っていました。
さて「やってみなはれ佐治敬三賞」は来年、記念すべき60回。なにかいいことがあるみたいですよ。なんでしょう。当ててみなはれ。
- 田中 幹
(株式会社博報堂 マーケットデザイン ビジネス推進局 関西クリエーティブ部
クリエイティブディレクター) - 金瀬さん。全然関係ない距離があるもの同士をつなぎあわせ(佐賀とゴジラ、箱根とハコネーゼなど)注視させるセンスが応募作のなかで一貫していました。
そこに個の強さがあった、そして、距離の遠さがやってみなはれ感につながった。
堀さん。車窓のハート。今回のアウトプットのなかではシンプルで、一番、心が動きました。目薬で街の光がにじんでいるようにもみえて、そのあたりのシズル感とハマってる気もしました。
廣瀬さん。手練を感じました。とくにノブタグループ、味覚糖などタレントCMでのフックのつけ方。コピーだけではなく、絵や編集でも面白がらせてくる。シリーズ継続に不可欠な要素だと思います。
高木さん。駅名を使ったヒガシマルは東にハマりたい。エフエム花の四年に一度の誕生日。関西電力のガクチカ卒業日。企画のわかりやすさ、軽さ。どの仕事もスピードがはやく、ノンストレスで届く。これは強い武器だと思いました。
- 岡 ゆかり
(株式会社サン・アド クリエイティブ本部 クリエイティブディレクター) - 今年は、昨年宮原さんと決戦投票となった、ADKの金瀬侑也さんが受賞した。
まずは、金瀬さん!ご受賞、誠におめでとうございます。
ということで、今年の審査会の様子をご報告したい。
冒頭には、事務局から昨年の受賞者、宮原さんが受賞後大活躍されているという嬉しいお知らせがあり、佐治敬三賞の価値を改めて感じるとともに、クリエイターの活躍の後押しになっていることを、審査委員一同喜び合って意気揚々と審査に臨んだ。
初回の投票では、廣瀬さん、金瀬さん、堀さん、にほぼ同数の票が集まり、今年こそ、廣瀬さんの受賞なるか!
と長年応援し続けていた者として期待をしていたが、なかなかどうして。すんなり決まらないのがこの佐治敬三賞の審査会。トップクリエイターでもあり、数々の審査会を経験されている審査員の方々の深い視点、巧みな応援演説、逆応援もしかり。侃々諤々の審査が続いた。
佐治敬三賞は、いかに困難を乗り越え新しい表現に挑戦したか、が評価の大きなポイントとなる。
金瀬さんは昨年も評価の高かった佐賀県のゴジラ施策に加えて、関電のウルトラ怪獣やハコネーゼの施策が、大きなチャレンジとして高く評価された。箱根町長からの相談、という情報を瞬時にキャッチし自主提案につなげ、低予算でも粋なアイデアで大きなPRにつなげていった、ハコネーゼでの粘り強さと実行力に軍配があがった。
確かに金瀬さんのすべての施策に、ワクワクするアイデアと、前のめりの姿勢&熱量がある。
宮原さんに続いて、いわゆる純広告ではなくプロモーショナル的なコミュニケーションが評価されたことも今っぽいし、未来へのヒントがあると感じている。
堀さんは、大阪・関西万博のグッズ買って!コミュニケーションとロートの夜景施策が高く評価された。
買って!買って!と可愛らしく懇願するアイデアは、めちゃくちゃ関西らしくてチャーミングで、私は大好き!
アートディレクションも効いた質の高いクリエイティブだ。ロートも言葉で伝えても実感しにくいスローガンを、日常のふとしたスキマを狙って体感させるとは、お見事な手法だと思う。
今年は残念でしたが、本当に接戦だったことをお伝えします。
そしてそして、廣瀬さ~ん!廣瀬さんはこれまでの関西の伝統芸をずっと守り続けていて、私も含めて審査員みなさん、廣瀬さんへの愛とリスペクトと感謝を感じていることは事実です!
さて、来年はどのようなチャレンジをしてくださるか。とても楽しみにお待ちしています。
来年は記念すべき60周年となります。あれ???私と同い年???
ということで、来年は若手のみなさまもベテランのみなさまも、(私にとっても)記念すべき年(笑)でもあります。
こぞってご応募いただけるのを心からお待ちしております~。
- 喜多 真二(株式会社大広WEDO 大阪クリエイティブ局 局長)
- 今年もやってみなはれ佐治敬三賞の審査がやってきた。
この賞は毎回、クリエイターその人の挑戦である「やってみた」を審査委員一同で喧々諤々の議論の末、決定するのだが本当に難しい。
特に今年はみなさんの力が拮抗していて困ってしまった。
この人がいいかな?と思っていても、審査委員のみなさんの意見を聞いているうちに、本当にその人でいいのかと、自信がグラグラと揺らいでしまう。
なんだか、こちらが審査しているようで、実は、応募していただいているクリエイターに、人を見る目を審査されているのかもしれない。
応募された作品は、過去の結果であり、私たちが選ばなければならないのは、この結果を踏まえて、未来に活躍してくれるクリエイターである。
過去の素晴らしい仕事の数々から、それを読み解くのだ。
今年のやってみなはれ佐治敬三賞は、金瀬さん。
本当におめでとうございます。なんだか金瀬流というか、そんな形が見えた気がしました。
これからの活躍を期待しています。
ファイナリストの堀さん、広瀬さん、高木さん、それぞれ、いろんな個性が光っていました。
ご応募いただいた皆さんの「やってみた」は審査委員長をはじめ、審査にかかわる全ての人にきちんと届いています。
そして、いつも審査委員全員を悩ませる。
それは、広告の世界の未来を考える、うれしい悩み。
それが、「やってみなはれ佐治敬三賞」なんだと、今気がつきました。
- 阪脇麻沙子
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ EXCR本部 第1EXCR局 エリアクリエイティブルーム ルーム長 - 右ファネルとか、カスタマージャーニーとか、左ファネルとか…
毎日耳にタコが出来る程聞いているワードを、これほど聞かなかった時間はなかったかも知れません。
審査会で語られていたのは、切り口の独自性や、課題に向き合う姿勢、情熱。
クリエイターとしての本質的な部分のみを議論し、「やってみなはれ!」と思える人を決める時間。
今回、初めて審査会に参加させて頂きましたが、様々な「やったろかいな!」が光っていたと感じました。
まず金瀬氏は、「ゴジラ対(つい)サガ」の発見の独自性。
佐賀県の地図を、おそらく何時間も見続けていたであろう、その執念にも近い姿勢。そしてそのIPの成功体験が、お堅いイメージのある企業へと、謎に横展開されている事にも、やったろかいなを感じました。
そして堀氏。ミャクミャクがちょっと嫌われていた状況で、「買って!」と言わせようとする胆力が素晴らしいなと思いましたし、私も実際買わされてしまいました。
廣瀬氏は、一瞬採点の事を忘れ、ワハッと声を出して笑ってしまいました。大阪ならではのCMを守り抜いて下さっている事に、関西人として感謝しかありませんでした。
来年は60回という事で、更なる盛り上がりが期待される佐治敬三賞ですが、応募をきっかけに、錚々たる面々とパイプができたりすると思いますし、賞金も結構アレかと思います。
私も審査員になる前に応募しておけば良かった…と後悔の念が絶えませんが、皆様におかれましては、後悔する前に是非、応募してみてはいかがでしょうか。
- 山崎 隆明(株式会社ワトソン・クリック クリエイティブディレクター)
- 今回の事前審査では、まず高得点をつけたのが、グランプリの金瀬さんとファイナリストの3名だった。
ファイナリストのなかで印象に残ったのは堀さん。
出品作は多くなかったが、今後どんな仕事を見せてくれるのか楽しみな制作者だと感じた。
最終的にグランプリ候補として推したのは金瀬さん。
昨年も出品されていた佐賀県のキャンペーンに加え、表現として派手に突出しているわけではないが、表現の幅が狭い(と思われがちな)クライアントの広告を、視聴者に見てもらうことを意識し、きちんと届くように丁寧に作っている。
その姿勢を相対評価した。
自由度の高いクライアントで弾けた企画を出すのも、もちろん評価対象だ。
しかし実作業において、そんな仕事はそう多くない。
自主コンペではない実務の現場、しかも自由度の高くない仕事のなかで、いかに諦めず、世の中を意識したサービスのある広告を作れるか。
そこには、プロとしての志と力量が問われる。
私は、関西ドメスティックの環境で育ってきたこともあり、「関西の広告として新鮮かどうか」という審査軸を持っている。
それは東京で流行る表現とは、また違う価値を持っていなければいけない。
関西の広告の強みを、いまの時代にどう定義づけるか。
そのセンスを、個々の制作者に問いかける賞。
それが佐治敬三賞だと思う。


